一番最初にくるのが「コールドパーマ」ですね。美容師がパーマを学ぶうえで一番最初に学ぶのがこのコールドパーマです。このコールドパーマがこの後登場する新しいパーマの基礎にもなっています。
コールドパーマとは、一般的なパーマのことです。もっともベーシックなパーマでパーマをかけたことのある人なら一度は経験のあるパーマだと思います。パーマの基礎的な技術や理論はすべてここからスタートするといってもいいでしょう。                 長所:短時間、ロッドの種類が豊富でスタイル問わず幅広いウェーブデザインを作れる。
短所:乾くとダレやすい、大きく柔らかいウェーブは苦手、しっかりかけると質感が硬い感じになりやすい。  

 近年の数あるパーマの種類は大別して以下の2つに分けられると考えています。

コールドパーマとクリープパーマ、ホット系パーマ
クリープパーマ、ホット系パーマには、コールドパーマにはない髪内部のかたちを変えるための新しい2つの理論が用いられています。その理論とは、(クリープ期)と(ガラス化)この2つの理論の登場によってそれまでのコールドパーマとは違ったパーマの質感、もちの良さ、低ダメージ化が可能になりました。
 

つまりクリープパーマ、ホット系パーマはクリープ期にあたる時間に髪に熱を与え、熱によって髪のタンパク質の変形を促進させ(ガラス化)ウェーブ形成力を高めているパーマのことで施術方法に違いはあれど、行っていることの目的はこのクリープ期とガラス化の理論です。                                           クリープ期とは?
クリープ(creep)は、物体に持続応力が作用すると、時間の経過とともに歪みが増大する現象でパーマにおいては、髪をロッドに巻き、求める形に髪の内部構造を変形させるために必要な時間。パーマ液を付けて髪の形が変わりやすい状態になってから約10〜15分間の間をクリープ期といいます
ガラス化とは?
口の中に硬いガムなどを入れると体温によって温められ次第に柔らかくなり形が変わるのと同じように、髪のタンパク質の温度を加熱することによって、タンパク質の形が変わりやすくなりパーマにおいてはウェーブ形成力を高めることになるのです。


 クリープパーマ、ホット系パーマの違い
ホット系パーマは髪を巻きつけるロッド自体が発熱し、より高い温度(70度~100度前後)で髪内部のタンパク質のガラス化を促すことができるのでしっかりとしたウェーブ形成が特徴の反面、高い熱によるタンパク変性によるダメージが起こりやすいです。よって最近では温度を下げて施術することが多い。                                   デジタルパーマ
ロッドを直接発熱させ髪を加熱することによって(70度〜100度)ガラス化の効果を最も発揮させることのできるパーマ、しっかりとパーマをかけることができる反面、繰り返しの施術で熱によるタンパク変性が起こることがあります。
エアウェーブ
ロッドにチューブから温風を送り、髪に熱を与えガラス化を促す。髪にかかる温度は55度前後でガラス化の効果はデジタルパーマよりやや劣りますが熱によるタンパク変性によるダメージは少ないようです。 

 クリープパーマ
ナノスチームの高温(温度は約40度前後)の湿熱を髪に加えてガラス化を促そうとするのが水パーマとよばれ、遠赤外線の加熱(温度は約30度~35度)によってガラス化を促すのがクリープパーマです。温度が下がるとガラス化の効果は弱まっていきますが施術はほとんどコールドパーマの延長でシンプルにかつ、しっかりパーマをかけるための理論を取り入れたパーマなので、最近のパーマではオーソドックスな考え方のパーマ。

 また、コールドパーマ、クリープパーマは髪が濡れている状態で2液をつけますので、濡れた髪の状態がもっともパーマのリッジが再現されやすく、乾くとダレやすい。乾かしきる前にややセット力のあるスタイリング剤をつけるといいでしょうね。
 デジタルパーマ、エアウェーブでは、2液塗布の時には髪は乾いた状態にあるので、乾いた状態で形状を記憶させることができます。乾いた髪の状態でも再現されやすいのが特徴。洗い流さないトリートメントやオイルをつけてしっかりとドライヤーで熱を与えて乾かしきるのがいいでしょうね。また、スタイリング剤をつけたくないという方はこちらがおすすめです。こういった違いがあります。
もちろんロッドの太さや巻き方、薬剤の選定やベースのカット,スタイリストの技量によっても全然ちがった仕上がりになってきますが、知っておくと、パーマが楽しくなります!